75万円の青色申告特別控除

令和9年分から青色申告特別控除が最大75万円になります。

75万円控除の要件は次のどちらかの選択になります。

  適用届出書を提出したうえで、

   イ 優良な電子帳簿の保存要件を満たす

   ロ 電子取引について、必要な措置として一定の措置(デジタルシームレス保存)を行う。

優良な電子帳簿の要件は、

①システム概要書の備付

②見読可能装置の備付

③訂正・削除・追加等の履歴が残ること

④帳簿間で相互関連性があること

⑤取引等の日付・金額・相手方に関する検索機能を持たせたうえで、

   ※ダウンロードの求めに応じる場合には③④は不要

⑥電子保存すること。

デジタルシームレス保存の要件は

電子取引データを、国税庁長官が定める基準に適合するシステムを使用したうえで、一定の要件を満たして送受信・保存を行い、確認できるようにしておき、電子保存すること。

 現在のところだとデジタルシームレス保存というよりは優良な電子帳簿の方で対応することが多いと思うので、優良な電子帳簿についてすこし考えてみました。

市販されている一般的なシステムはだいたい優良な電子帳簿の要件を満たすので、あとは届出書を出すだけです。簡単ですね。でもそれ、本当でしょうか。

そもそも電子帳簿とは何か。

電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の第四条には次のように規定されています。

第四条 保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、・・・・当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。

所得税法や法人税法では帳簿は紙が原則であって電子的に作成された電子帳簿は帳簿と認めていません。これを電子帳簿でも帳簿と考えていいですよというのが電子帳簿保存法です。

75万円控除は電子帳簿が前提となりました。

「保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、」という規定はどういうことでしょうか。

保存義務者=納税者

最初の記録段階から=1月1日から

一貫して=仕訳帳から総勘定元帳まで

これを実際に当てはめて表現すると次のようになります。

納税者自身(保存義務者)が、自宅又は事業所に、パソコンを用意し、会計ソフトに日々(1月1日から12月31日まで)入力し、年が明けて未収未払などの決算仕訳をしたうえで、作成された帳簿を保存する。そのうえで、会計ソフトや国税庁のHPで確定申告書を作成し、e-Taxで送信することで75万円控除が受けられるということです。

「電子帳簿保存法一問一答【帳簿書類関係】(令和8年7月版)」の問20では、会計事務所等へ帳簿入力を委託した場合について書かれています。

【回答】

  会計事務所や記帳代行業者に委託することは認められますが、国税関係帳簿の作成にあたっては、書面であるか電磁的記録であるかにかかわらず、課税期間中に記帳せず当該期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は、認められません。また、保存場所についても、各税法で定められているため、記帳代行業者の所在地にすることは認められません。

  税理士等に1年分の資料を年が明けて持ち込んで、申告を依頼するというやり方は、原則どおりに解釈すればダメということになりそうです。当事務所でも、使っているソフトベンダーに確認すると追加契約が必要であることもわかりました。

  申告は令和9年ですが、記帳は令和8年1月1日から始まります。まだ国税庁の運営指針等が出てませんが、75万円控除を使うことを考えている方、税理士等に確定申告時だけお願いしている方は早めに検討した方がよさそうです。

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